読書録 「夏への扉」
「昔はよかった」という言い方は平安の時代からあったというけれど、何歳ぐらいから言うようになるのだろう。
私が初めて同年代から聞いたのは、中学3年だったかな。
新1年生の指導をしている時に、「昔はこうだったんだよ。それに比べて最近は・・」って同期が言っているの聞いて、「ほほぅ・・」と思った覚えがある。
それまで「昔は・・・」というのは、先生や親の言うことだった。こどもには語るべき過去というものはあまりないからね。同期が妙に大人に見えた。
今、私には、未来と過去もある。「昔は・・・」と語れなくはないが、「未来は・・・」と語ることの方が多い。
だって昔のことは箱にしまっちゃったもん。そのまま捨てちゃいたい箱も、愛おしくて涙ぐむ箱もある。でも1人のときにそっと取り出すだけ。
未来は、良いだけではなく、悪いところもたくさんあるのだろうね。
今と同じように。過去とおなじように。
そんな事はわかった上で、
それでも未来を思うとワクワクするのは、たぶんこの本のおかげ。
- 作者: ロバート・A.ハインライン,Robert A. Heinlein,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 文庫
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未来へ進んでいく。
そのことの楽しさをこの本で読んだときの、あの晴れやかな空の下に出たような、あの気持ちは、色あせることはない。
でもね、前に進む人ばかりだと後始末が大変だから、前に進む人・現在のことをきちっとする人、過去を振り返る人、いろいろいて、社会は成り立ってるんだと思うよ。