映画 神様メール
あなたが思う神様とはどんなものだろうか。
日本には八百万の神がいるから、きつねだったり、なくなった方だったり、石ころだったりするわけだが、ほとんどの方は、そこに宿っている大元の神様をイメージするのではないだろうか。形は思い浮かばないが、全てを覆うおおきな意思のようなもの。
皆様ご存知の通り、キリスト教でイエスキリストは預言者である。
予言者ではなく預言者。
つまり神の子ではあるが、神様自体ではなく、神様のお言葉を預かり人間に伝えてくれる方。
ではその神様はどんないでたちなのだろうか。
この映画では、おっさん。ベルギーに住むおっさんなのである。
ビールを飲み、だらしなくTVみて、家族にはモラハラ、DV。
妙な法則を作って人間を困らせて楽しんでいる。
PCがないと何もできないおっさんなのである。
「大丈夫?厳格な宗教家怒らない?」というレベル。
ちなみに長男はJC。
主人公はお兄さんの助けも借りて、横暴なお父さんから逃げ出す。
全人類に、それぞれの余命をしらせるメールを送ってから。
そして使徒を選び、自分の言葉を伝えさせる聖書ではなく、使徒の物語を伝える「新・新約聖書」作ることを決めるのである。
それぞれの使徒の物語が美しい。
愛に恵まれず、迷走している使徒たちが、主人公の少女(神様の子)と出会うことによって、自分自身を、そして愛を見つけていく。
そしてラストシーンの美しいこと!
対してPCの機能が使えなくなって、娘を追いかけてくる神様は、もう力を失っているから、社会に出てきて踏んだりけったりの目にあう。
「ホームアローン」の泥棒のような・・・。
笑いに笑って、でも、人生に大切なものってなんだろう、人生ってすてきにできるんじゃないか、って思える、とてもステキな映画でした。